![]()
| 8月12日 夜行列車で熟睡とはいかないものの、気が付いたら塩尻近くを走っている。
車内放送が入り、乗り継ぎ等の案内に促され塩尻で東京から来る急行に乗り継ぎ、6時前に信濃大町に着く。 相変わらずの登山客で賑わいを見せ、タクシー乗り場は乗り合い希望する客を整理するタクシー会社の人の声が響く。間もなく乗り合わせのメンバーが決まり、扇沢へと向かう。 同乗者の1人は、扇沢バスターミナル手前の爺ケ岳登山道で下車。 扇沢バスターミナルは、一般観光客、登山者が切符売り場に列をなす。夏の最盛期は、トロリーバスも30分繰り下げて運行し、大勢の利用客に対応する。 第一便は、バス10台と荷物用のトラック2台を連ね扇沢を出発する。あまり早くから荷物を積むと後で大変、黒部ダム湖駅に着いて最後の最後まで自分の荷物を待つ羽目となる。あわてないで、最後の方に積み込んでもらうとよい。 10分少々で黒部ダム湖に着く。荷物を受け取りダムの堰堤を約1q歩き、対岸のケーブル乗り場へと早足で向かう。ケーブルの駅でロープウェイの整理券を受け取るために、この間の行動は俊敏にすること。ここからは最前列で行動できれば室堂にも早く着くことが出来る。 ロープウェイの整理券1番を手に入れケーブルカーに乗り込む。黒部平駅に着きロープウェイ運行案内のアナウンスの流れる中、時刻を確認し建物の外に出る。 濃紺の空の下は、大観峰に向かうロープウェイのケーブルが、屏風のように鎮座した立山連峰の心臓部に導かれ、その先は室堂に続く。何度訪れてもこの景色を見る度に、これから訪れる剱に思いをはせる。 ロープウェイの後方は、満々と水を貯えた黒部湖、後立山連峰、北アルプス南部の山々が、前方には立山連峰の対照的な絶景が楽しめる。数分で大観峰に降り立つ。 室堂に向かうトロリーバスも臨時便が走り、間もなく室堂へ。それでも、室堂着は8時30分を過ぎ、すでに立山方面からあがってきた観光客で賑わっている。 室堂ターミナルの階段を登り屋外に出る。目に飛び込んできた最初の印象は、残雪が多いコントラストの効いた室堂平の姿だ。ターミナル前にある立派な石組みの水場でリックから水筒を取り出し、スポーツドリンクの顆粒を適量より少な目に注ぎ、水と混ぜる。 9時少し前、靴ひもを締め直しミクリガ池方面へ歩き出す。2500bの遊歩道は、観光客への心遣いか、石畳の歩道が続く。 ミクリガ池の湖面には、雪が残りついついカメラのシャッターを押す。ミクリガ池から雷鳥平へのルートは2通りあり、ここでは地獄谷を経由しない、急傾斜の遊歩道を雷鳥平へ下る道をいく。 キャンプ指定地脇の沢には雪渓が残り、チングルマ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイの高山植物で満開だ。沢にかかる橋を渡り雷鳥坂のきつい登に入る。山行の初日はのんびり登ることに心がけ、身体を高度順応させながら登りのリズムをつかむ。 ちなみに年々体力の衰退を感じ、今年は沢筋に残雪が多く残っているとの事前情報からストックを利用しての山行だ。 ぐんぐん高度を稼ぐが、振り返るとまだ室堂平より低い位置だ。小休止を二度程する頃になると、室堂平のバスターミナルの建物が同じ高さに見えてくる。まもなく剱御前小屋のある、別山乗越に着く。 11時30分から12時30分まで、昼食と休憩でのんびり過ごす。小屋前は例年にない混雑ぶりだ。 剱沢にも残雪が大量に残る。剱山荘へのルートは、剱御前山腹の雪田を数カ所トラバースしているのが確認できる。 剱沢方面は、雪渓をへつるように小屋まで延びていて雪渓歩きはなさそうだ。雪渓の消えた草原には、チングルマ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、イワカガミの花々が真夏の日差しにキラキラ輝き、雪渓を渡る風を気持ちよさそうにうけている。 50分程で小屋前に着き小休止の後、真砂沢ロッジへと向かう。 13時30分、テント場を左に見て、ガリーのジグザグ道を剱沢へと下る。左手の大地に立つ剱山荘が隠れ、雪渓の下部から滝の音が聞こえ始めると雪渓に降りる取っつきも近い。 残雪の多い今年でも雪渓に降りる場所は例年通り、滝の下あたりだ。雪渓を下り初めて間もなく、左から武蔵谷雪渓が合流、下り勾配も緩く、目標地点を定めテンポよく下る。 平蔵谷と剱沢合流部には巨大な岩があり興味深げに近づいていくと、なんと人の背の何倍もの大きさに圧倒される。平蔵谷合流点から長治郎谷合流点の間は、下り勾配が少しきつく、スリップに注意する。合流点から見上げる長治郎谷雪渓は天にも届くかのような、白い衣を延々と垂らし、その左右に何人も寄せ付けない迫力で迫る絶壁が続く。 長治郎谷雪渓の右手(左岸)は八ッ峰へ登るクライマーの取っつきがあり、時々八ッ峰を縦走するクライマーの声が響く。 剱沢は、大きく左に曲がり左岸の岩に夏道のペンキ印がある。例年なら剱沢には、クレパスが顔を出す場所だが、今年は夏道に入らず左岸の脇を慎重に下る。間もなく石積みに守られた真砂沢ロッジの屋根とカラフルなテントが見えてくる。 14時50分、ロッジ到着。宿泊手続きを済ませて部屋に入る。夕刻雨が屋根をたたく音がする。 |
|
![]() |
![]() |
| チングルマ | チングルマ |
![]() |
![]() |
| ミヤマキンバイ | ヤマガラシ |
![]() |
![]() |
| 別山乗越付近から奥大日岳を望む | 別山乗越付近から大汝、雄山を望む |
![]() |
![]() |
| 剱御前小屋 | 剱御前小屋から別山尾根を望む |
![]() |
![]() |
| チングルマ | 剱沢のお花畑から |
![]() |
![]() |
| 剱沢小屋からテント場を望む | |
![]() |
|
| 剱沢のお花畑から | 剱沢小屋 |
![]() |
![]() |
| イワヒバリ | 剱沢小屋付近から剱岳を望む |
![]() |
![]() |
| 剱沢小屋付近から剱岳を望む | 剱沢小屋付近から八ッ峰を望む |
![]() |
![]() |
| 雪渓の決壊した剱沢の滝 | 剱沢の滝から剱沢上部を望む |
![]() |
![]() |
| 剱沢雪渓 | 別山方面から落ちる滝 |
![]() |
![]() |
| 平蔵雪渓 | 長治郎雪渓 |